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よくある質問と答え

 
チベット家具とは、どんな家具ですか?どこで作られたものですか?
 チベット家具とは、チベット文化を継承する人々(チベット人)により作られた家具を指します。現在の中国におけるチベット自治区、およびチベット文化を継承する人々(チベット人)が居住するヒマラヤ周辺の地域(ネパール、ブータン、インド、その他)で作られています。

製作された年代はどのように測定していますか?
 一般的なチベット家具は、上塗りなどの修復が何度も施されており、表面的な年代測定は困難です。形状・色・デザイン・入手経路などのチェックと鑑定から推定されます。 チベット家具を買うメリットは何ですか?チベットの人たちにどんな影響がありますか?
 チベット社会においても近代化の波が押し寄せており、伝統的な価値観は衰退の一途をたどっています。日本における、チベット人コミュニティを通じたチベット家具の普及を通じて、チベット美術への評価を高め、チベット文化の全体的な保全・発展に貢献していくことができます。

新しい家具と古い家具には、どのような違いがありますか?
 モチーフなどは同じものが用いられているものがありますが、材料や顔料などの他、技術者のレベルに大きな違いがあります。過去においては、家具の製作や装飾は専門の職人集団や僧などによって行われ、「悟りをえるための修行」として、膨大な手間とエネルギー、時間が費やされました。また、古い時代は交通手段や地域の地形・気候などの事情により、木材の入手が大変困難だったため、古い木材を繰り返し使用する、時代の違う木材を組み合わせて使うなど、家具のつくりや素材にも大きな違いが見られます。現在でも専門の職人集団が家具の制作を行っていますが、かつてほどの品質を求めるのは難しいのが実状です。

レプリカやリプロダクト(いわゆる贋物)はどう見分けますか?
 現在、アンティークに関しては世界中でレプリカ・リプロダクトが氾濫しており、チベット美術・チベット家具においても例外ではありません。特に、中国においては、贋作の技術が大変高く、博物館の学芸員でも判断が難しいレベルの品が出回っているといわれています。
⇒参照サイトはこちら 

 上記の理由から、チベット人コミュニティから離れ、多くの人を経由する香港、上海経由を避け、チベット人コミュニティから直接、情報を仕入れ、チベット人の家具専門家を通じたトレードが、よりレプリカやリプロダクトのリスクを減らすことができると想定されます。
 
身体や環境に害のあるものは使われていませんか?
 人体に影響のある原料は使われていませんので、美術品として使用していただく限り、特に問題はないでしょう。19世紀以前に作られたものについては、ほぼ天然の原材料が用いられています。装飾には、各地方でとれる鉱石などを用いた天然顔料などによる塗料のほか、うるし、ニカワを混ぜ合わせた金箔(英:gesso)などが使われています。20世紀以降に作られたものは、に入ってからは、顔料がより手に入りやすくなったことで、装飾はより明るい彩色になっていきます。詳しくは、チベット家具の材料・顔料を参照ください。

日常的に触れたり、使用しても大丈夫でしょうか?
 特に人体に影響のある原料は使われておりませんが、美術品として考えた場合、汚れを避ける意味でも、直接触れたりすることは極力避けていただいた方がよろしいかと思われます。

材料や塗料には何が使われていますか?
 詳細は使用された鉱石とその色をご参照ください。

 緑色:マラカイト(孔雀石) 濃青/青緑:アズライト(藍銅鉱) 濃赤:シナバー(辰砂) オレンジ:リアルガー(鶏冠石) 黄色:オーピメント(石黄) 白:チョーク(石灰) 黒:煤(すす)

家具の装飾画は誰が描いているのですか?
 古くからチベット家具の生産現場には、高度に分業化された専門の職人集団が存在しており、家具や建具類の装飾を一手に引き受けています。

描かれているデザイン(龍や唐草文様など)は何がベースになっていますか?
 チベット家具においては、チベット仏教の影響が大きく、さらにチベットの神話・民話や中国・インド・中東などの文化が混合したデザインが施されています。詳しくはこちらをごらんください。

どのように使えばいいのですか?
 チベット家具は、一般的な家具として扱っていただくよりも、装飾や形・色全体などを楽しむ「美術品」とお考えいただいた方がいいでしょう。キャビネットなど一部の家具に関しては、中に物を入れたり、上に小物を飾るなど、通常の家具としての使い方をしていただいても問題ありませんが、元々、大変高度が高いために、硬質の木材が入手しにくい地域で作られた家具ですので、比較的柔らかい木材で作られているものが大半です。通常の家具よりも強度が低いものも多く含まれています。取り扱いには充分ご注意ください。

チベット仏教の信徒ではありませんが、自宅に置いても大丈夫ですか?
 他宗教の方においても、宗教美術、およびチベット美術としての価値を認め、相応の敬意を持って扱っていただく分には、特に問題はありません。 仏壇や神棚の近くにおいても大丈夫ですか?たたりや怨霊などは大丈夫ですか?
同様の理由により、特に問題はありません。
 
設置場所を選びますか?置かない方がいい場所はありますか?
 チベット家具が使われていた場所は、全体的に高地であり、年間を通じて乾燥しています。また遊牧民のテントや僧院など、あまり日の当たらない屋内で用いられています。湿気や直射日光は、材質の変化を起こすことがありますので避けていただくのがいいでしょう。

日当たり、熱、風通し、湿気、乾燥についての注意はありますか?
 直射日光や熱は絵が退色したり、家具全体のひび割れ、反りなどの原因となりますので避けてください。また、湿気や水分の多い場所に置くと、カビが生えたり変形することがあります。

お茶やジュースなど液体を家具にこぼした場合、どうすればいいですか?
 ワックスの塗られていない面の場合、シミやカビの原因になることがあります。すぐ固くしぼった濡れふきんで汚れをやさしくふき取ったあと、柔らかい乾いた布で水気を完全にふき取ってください。拭き取る際は、強く拭いたり、洗剤やオイルなどを用いると、しみや損傷が残る可能性があります。十分お気をつけください。

防虫加工はしてありますか?防虫剤は使ってもいいですか?
 原産地では高地のためほとんど虫は発生せず、充分な乾燥・保管を経ていますので、特に燻蒸などの化学的な防虫加工は施しておりません。また、一般的に船による輸送中に他の荷物から混入した虫が発生することがあります。到着後、たんす用などに入れる防虫剤をお使いいただければ問題ないでしょう。

家具に独特の匂いなどはありますか?
 現地では、バターを灯したランプ(バターランプ)が生活に用いられているため、バターの匂いがすることがあります。また、儀礼用のキャビネットなど、僧院で用いられたものについては、お香の匂いがすることがあります。これら家具の表面についた汚れは、お買い上げ確定後、すべて現地の職人の手によってきれいに取り除きますが、匂いだけは、若干残ることがあります。また、これらの汚れをそのまま残したい場合は、ご希望により残すことも出来ますので、お買い上げの際にお知らせください。

色落ちなどはしますか?
 天然顔料のため、ワックスの塗られていない面については色落ちすることがあります。詳細はこちら 特にススについてはご注意ください。

家具を劣化させないためにどのように品質維持を行ったらよいですか?
 適切なクリーニング、修理、乾燥などの処置に加え、日本の風土に合わせた防虫・防湿のためのラッカー(透明な漆)、オイル・ワックス塗装などが有効です。普段のお手入れとしては、水ぶきや洗剤などは避け、柔らかい布でやさしく乾拭きしてください。強くこすったり水分を使うと損傷したり、しみができることがあります。
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